スクールを運営していて、こんな悩みはありませんか?
- 内容には自信があるのに、継続率が悪い
- 保護者ウケはいいけど、選手が嫌になって退会してしまう
- 「ここは合わなかった」と評価される

コーチとしての実力が足りないのだろうか…
応用行動分析(ABA)の観点から見ると、継続するかどうかは「環境」の要素が大きいことがわかっています。
今回の記事では、
- 継続されるスクールとそうでないスクールは何が違うのか
- 継続率を高めるためには、どんな設計が有効なのか
について、ABA・心理学の観点から整理していきます。
継続率の背景にある「場所への条件づけ」
学校の授業で、「パブロフの犬」という実験を聞いたことはありませんか?
パブロフの犬
ベルの音を鳴らした後に食事を与える ということを何度も繰り返すと、
やがて犬は食事がなくてもベルの音だけでよだれを垂らすようになる。
この研究が示しているのは、ある刺激と感情・体験が繰り返し結びつくことで、反応が自動化されるという現象です。
同じように、
ある場所へ行くと、良い感情や体験が繰り返し起こる
という経験が積み重なると、人はその場所に対して、自然とポジティブな印象を持つようになります。
これはスクールでも同じです。



ここに来るといつも楽しい!



ここに来ると前向きになれる!



ここではみんなが受け入れてくれる!
こうした体験が繰り返されることで、スクールそのものが「行きたい場所」として条件づけされていきます。
逆に、トレーニング内容が良くても
- 緊張が強い
- 否定されることが多い
- できない感覚が続く
といった経験が重なると、その場所に対してマイナスなイメージが条件づけされていきます。
結果として継続は困難になるはずです。
成長を実感できる仕組みが継続率につながる
心理学では、「成長している実感(前に進んでいるという感覚)」は、内発的動機づけを高める要因として知られています。
子どもが「また来たい」と感じる瞬間は、
- 前回よりもできた
- タイムが縮んだ
- コーチに変化を言語化してもらった
- 自分でも違いが分かった
といった、小さな進歩を感じたときです。
距離やタイム、回数などで成長を実感しやすいプログラムにしたり、前回よりもこうなったね!という声をかけたり、単純に「前回よりも声をかけられる回数が増えた」ということでも実感を得ることができます。
成長を「見える形」で返す工夫が継続率に大きく影響することを強く実感しています。
継続率は最初の数か月に大きく左右される
多くのスクールで、離脱が起きやすいのは入会から数か月以内です。
ABAの視点では、これは自然な現象です。
行動は成功率が高いと安定しやすく、上手くいかない体験が続くと消失しやすい
という原則があるからです。
初期に成功体験が少ないと、
- 難しい
- 楽しくない
- 自分の居場所だと感じられない
このように、ネガティブな条件づけが起こりやすくなります。
逆に初期に多くの成功体験ができると
- 自分にもできる
- ここに来る意味がある
- 続けてみよう
このように、ポジティブな条件づけが起こりやすくなります。
最初の数か月間でどれだけ多くの「できた」という実感を積めるかが、継続率を大きく左右します。
継続率を高めるためにできる工夫4選
ここからは、実際の指導現場で意識したいポイントを4つお伝えしていきます。
①レッスン序盤に気分が上がるしかけをする
- 名前で呼ぶ
- 楽しいウォーミングアップを用意する
- ポジティブな声掛けを増やす
- 難易度の低いものから始める
名前で呼ばれると人は自然と注意が向きやすくなります。
「自分に向けられた情報」として脳が優先的に処理するためです。
心理学や脳科学の研究では、こうした「自己関連情報」は脳の報酬系が反応しやすいことが示唆されています。
「ちゃんと見てもらえている」「認識されている」という感覚そのものが継続のための小さなプラスとして働くのです。
また、初回の体験時やイベントで初見の生徒が多いときは、スタート直後のプログラムの難易度を下げておくとスムースにレッスンに入ることができます。



うぅ…緊張するなぁ…。



あれ!?結構できるかも!
こういった経験を繰り返すことで、何も心配はいらない、一生懸命取り組めば大丈夫という成功の土台を作ることができます。
②毎回「できた」を1つ持ち帰らせる
- 確実に成功できる課題を混ぜておく
- レベルに合わせて難易度を調整する
- 変化をその場で言葉にして返す
1回のレッスンで1つでも成功体験があれば、次回の参加へのハードルは下がります。
私のスクールであれば、設定タイムを3段階に分けたり、成功したらレベルが上がる設定でゲーム化したりすることで、「1回は必ず成功できる!」という工夫をしています。
③成長を見える形で返す
- 定期的な計測
- 動画での比較
- 保護者の方への簡単なフィードバック
成長が可視化されることで、「続ける意味」が明確になります。
私はInstagramの中で「今日特に成功が目立っていた子」をイニシャルでピックアップして伝えています。



保護者の方もスクール生本人も内容を楽しみにしているとのことです◎
④人とのつながり(関係性)を感じられる設計
- コーチとの信頼関係
- 仲間との一体感
- 応援されている感覚
人が内発的に動機づけられるために必要な要素に「関係性」があります。
受け入れられている、ここに居場所があると感じられるほど、自発的に行動しやすくなるのです◎
私のスクールでは、チームごとに戦略を話し合わせたり、チームメイトを気遣う声がけをした子をピックアップしたりしています!
まとめ:選ばれ続けるスクールになるために必要なこと
退会率が高いと、
- 自分の指導内容が良くないのだろうか
- 流行りの○○を取り入れた方が良いのだろうか
と不安になるコーチもいるのではないでしょうか。
しかし、ほんの少しの工夫で退会率を下げ、選ばれ続けるスクールになることができます。
- スクールを良い感情と結び付け、条件づけする
- 成長を見える形で返す
- 初期にたくさん成功させる
- 帰属感を育てておく
継続率が上がり新規募集のための広告宣伝に時間を割く必要がなくなると、
レッスンの内容をより良いものにするために時間を使えるようになります。
本当にやりたかったこと(指導)に時間を使えるように、今日からひと工夫!
ぜひやってみて、反応をコメントで教えてください!


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