ストップ動作で背中が丸まる…。そんなとき、どうする?-ゴールから逆算する段階的指導プログラムの作り方-

小中学生の指導をしていると、こんな場面に出会うことはないでしょうか。

丁寧に教えているつもりなのに、狙った動きにならない。

大事なポイントは伝えているのに、形が崩れてしまう。

特に小学生では、

  • 力を入れてほしい場面で、身体が安定しない
  • パワーポジションを教えたいのに、上半身が丸まってしまう

といったパターンが良く見られます。

理解していないのかな?

この子にはセンスがないのだろうか…。

そう感じてしまうこともあるかもしれません。

ですが、多くの場合これは単に選手の理解不足ではなく、

動きに入るための準備が整っていないという場合が多いです。

今回の記事では、

  • なぜ教えたい動きを再現できないのか
  • どうすれば正しい動きを習得できるのか

について、「動きを段階的に積み上げる」という視点から解説していきます。

目次

正しい動きができないのは、教え方のせいではない

ストップ動作を教える際、多くの指導者は

  • お尻を落とす
  • 背中を丸めない

といった言葉で伝えようとします。

しかし、選手の身体が

  • 股関節周りを上手く使えない
  • 体幹が安定しない
  • お尻に力を入れる感覚が薄い

という状態のままでは、どれだけ説明しても狙った形にはなりません。

ここでポイントとなるのは、正しい動きを「教える」ことではなく、

ゴールとなる動きに「入りやすい状態を作る」ことです。

小学生に正しい動きを教えるための4ステップ

ここからは、「全力ダッシュからのストップ」を例に、どのように動きを分解し、段階的に積み上げればいいのかについて具体的に解説します。

STEP
動かしやすい身体の状態を作る

小学生年代では特に、「この動きをやってみよう!」と言っても、そもそも身体がその形を再現できないことが多くあります。

そこで必要になるのが、

  • 必要な筋に軽く刺激を入れる
  • 動きの感覚を先に作る

という準備の段階です。

ここでは、スピード、判断、複雑な動きは一切求めません

例えば教えたい動きが全力ダッシュからのストップ動作なら、ストップするときに主に動員されるお尻やもも裏などの股関節周りの筋に刺激を入れておきます。

私は寝た状態で筋に刺激を入れた後、立ってその場でストップの感覚を作ることが多いです!

STEP
安定して同じ動きが出る状態を作る段階

次の段階では、ゴールとなる動きから

  • 距離
  • スピード

などの負荷を減らし、同じ動きが繰り返し出る環境を作ります。

例えばゴールとなる動きが全力ダッシュからのストップであれば、
ジョギングで5mくらいのアプローチから正しい動きで止まる練習から始めます。

ここで見るべきなのは、動きがどのくらい安定してできているかという点です。

7~8割ほど成功するのであれば次の段階へ移行してOKと考えます。

逆に5割を切ってしまうなら一つ前の段階に戻り、アプローチがない状態でのストップ動作からやり直します。

STEP
少しずつ目標となる動きへ近づけていく

動きが安定してきたら、次の段階では

  • 距離
  • スピード

の負荷を少しずつ上げ、実際の動き(ここでは全力ダッシュからのストップ)に近づけていきます。

ここでよくある失敗としては、

  • できてきたから一気にスピードを上げる
  • スピードが上がったら崩れたが放置する

ということです。

上手くいかなくなった場合は、必ず前の段階に戻すことを徹底しておきましょう!

私はこの段階で、判断なしの全力ダッシュ~マーク位置でストップを行います!

STEP
認知的な負荷を入れ、実践で使える形にする

トップスピードでも動きが再現できるようになったら、最後は認知的な負荷を加えていきます。

具体的には、

  • 相手がいる
  • フェイントに反応する
  • 止まる/加速を判断する

といった形です。

「反応する」という負荷が加わるため失敗が起こりますが、この段階では失敗の内容によって対処方法が異なります。

①動きが崩れてしまう

  • 姿勢が崩れる
  • 背中が丸まる
  • 基本の形が崩れる

これらの失敗は、前段階までと一貫して見逃してはいけないものです。

「反応」が入った途端に動きが崩れてしまう場合、まだ動きが身についていなかったと考えられます。

崩れる頻度が2~3割であれば動きを学習している途中であると考えられますが、大きく失敗が増える場合には負荷が高すぎる可能性があります。

その場合はまだ動きが安定していないと考え、前の段階に戻るか認知的な負荷を下げる工夫が必要です。

対人で上手くいかないのであれば、もっと簡単な内容に…
例えば、「コーチが手を上げたときだけストップ」のような2択で正しい動きが出るかチェックします◎

②タイミングや判断のズレによる失敗

  • 姿勢は正しいが1歩遅れた
  • 正しい動きだが間に合わなかった

このように、動きは保たれているが「判断」や「タイミング」によって失敗が起きた場合、動きの使いどころを間違えただけだと考えることができます。

これは学習が次の段階に進んでいる証拠であり、むしろ積極的に対人・反応の中で動きを使うことで実践の中で使えるようになると考えられます。

まとめ:段階の設定次第で小学生でも正しい動きは身につく!

ここまで解説してきたとおり、小学生年代の指導で大切なのは、

  • いきなりゴールの形を求めない
  • 動ける状態を先に作っておく
  • 段階を設定する

という点です。

最終ゴールとなる動きを分解し、

  • どの筋を動員する動きなのか
  • 基礎となる動きは何なのか
  • どの負荷を下げれば上手くいくのか

そんな視点でプログラムを作ると、小学生にも理解しやすい形で動きを学習することができます。

想定している動きが出ないときには、

この子のエラーはどの段階で起きているのだろう?

そんな視点で考えてみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考になれば幸いです!

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