こんにちは。
コーチの永井です。
【前回の記事】の続きです。
子どもの運動・スポーツ教室選びの3つのポイント
③その運動(教室)が好きか
ポイント3つ目は、お子さまがその教室を好きかどうかです。
そんなの当たり前だよ!と言われそうですが、知ってるようで知らないその理由について解説します。
前回までのお話で、お子さまの運動能力を高めるには「遊び」が大切であることを強調してきました。
遊びと運動能力の関係が調査された研究があります。
自由遊びの時に運動遊びをする頻度と運動能力の関係について調査した。
その結果、運動遊びを「非常によくする」群の運動能力が最も高く、次いで「よくする」群、「ほとんどしない」「あまりしない」群が最も低いという結果が得られた。
(杉原,2010)
では、どうすれば積極的に運動遊びをしてくれるようになる(運動が好きになる)のでしょうか?
幼児期の積極的な運動遊びの発現は、内発的動機づけが中心であると言われています。
つまり、お子さま自身が「やりたい!」と思う運動であることが最も大切であるということです。
では、「やりたい!」と思ってもらうために必要なのは・・・?
ズバリ、「運動有能感」(=自分はやればできる!という感覚)です。
運動有能感を高めるためには、課題の成功そのものや大人からのポジティブなフィードバックが必要だと言われています。(杉原,2011)
特に3~6歳ではその傾向が高く、それ以降は周囲との比較や勝敗によって有能感が高まったり、低くなったりすることがわかっています。
つまり、3~6歳くらいの間に運動に関するポジティブな経験をたくさん持っているほど有能感が高まり、運動遊びの頻度が増えたり、運動能力が高まったりすると考えられます。
逆に、できないことを無理やりやらされたり、頑張っても認めてもらえないと、子どもは無力感(=何をやってもどうせ意味がない)を感じてしまいます。
そしてもちろん、6歳を過ぎても運動有能感を高めることはできます。
現在検討中の運動・スポーツ教室は、お子さまが好きなものですか?
大人がどれほど「良い」と思ったとしても、お子さまの気持ちが乗らない教室では、運動能力が高まるどころか、むしろ有能感が下がり運動頻度が減ってしまうかもしれません・・・。
ジュニアアスリートアカデミーつくばのレッスンでは、お子さまの「やりたくない」という気持ちも尊重します。
(もちろん、お子さまが「やりたくない」なんて思わない、楽しくて仕方がないレッスンを心がけています!)
時に保護者の皆さまには、「なぜコーチはちゃんとやらせることをしないのか?」ともどかしい気持ちにさせてしまうこともあるかもしれません・・・。
そんな時もご理解くださり、ぐっとこらえていつもお子さまを見守ってくださりありがとうございます!
楽しいことだけやっているうちに、「やりたくない」が「やってみようかな?」に変わるのが、まさに有能感です。
お子さまのその時を、一緒に見守ってくださいね(^^)
まとめ:9,000人の調査からわかった、子どもの運動・スポーツ教室選びの3つのポイント
①十分に運動時間が確保されている
並んだり、説明を聞いたりする時間が大部分を占める教室は避け、お子さまが身体を動かす時間が十分に確保されている教室を選びましょう。
②遊びの要素と多様性はあるか
特に幼児期の習い事として選ぶ場合には、単一の競技ではなく様々な動きを経験できる教室を選びましょう。
単一の競技に絞る場合は、プログラムの中にどのくらい動きの種類があるのか注意深く観察して決めましょう。
いつも同じ動きばかりの教室では、将来新しい技術の習得をしようと思った時に、運動体験の少なさが上達の妨げとなる可能性があります。
③その運動(教室)が好きか
運動自体が好きになることで、その教室の時間だけでなく教室外での運動時間が増える可能性があります。
週1回の習い事がその他の週6日にも影響を与えるものだと最高ですよね!
お子さまの運動有能感を高める工夫がたくさんされている教室を選びましょう!
運動有能感を高めるポイントは・・・?
課題ができた!という達成感と、大人からのポジティブなフィードバックでしたね。
お子さまが「楽しかった!」「もっとやりたい!」と目を輝かせて帰ってくるような教室を選びましょう!
今回試験的にこのような記事を書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
感想をお寄せくださるとうれしいです(^^)
また、現在ジュニアアスリートアカデミーつくばでは無料体験レッスンを実施中です!
皆さまのご参加お待ちしております!
参考文献:杉原隆・吉田伊津美・森司朗・筒井晴次郎・鈴木康弘・中本浩揮・近藤充夫 2010 幼児の運動能力と運動指導ならびに性格との関係 体育の科学, 60(5), 341-347.
参考図書:杉原隆 2011 生涯スポーツの心理学 福村出版